女性整形外科専門医からのメッセージ
平成22年卒 松江赤十字病院勤務 田中 直美
整形外科に入局した理由
平成22年入局の田中直美です。
このホームページをご覧いただき有難うございます!
私が医師を志したのは、海外ドラマ「ER」が好きだったことから始まります。痛くて不安で困っている人の役に立ちたいという思いと、手術が好きという思いから、整形外科を選びました。現在市中病院に勤務し、9歳・6歳・4歳の三人のママドクターになっています。当初思い描いていた医師像とはかけ離れてもいますが、毎日楽しく仕事が出来ており、支えてくれるスタッフの皆様には感謝ばかりです。今まで紆余曲折ありましたが、それをお話しさせていただき、少しでも整形外科を志す方の後押しになればと思います。
島根大学整形外科の魅力
岡山県出身、島根大学卒、整形外科内尾教授は学生講義のときから、運動器として全身を考えることの素晴らしさを教えてくださいました。医局で最初に入った上肢チームの山本先生、山上先生はいつも丁寧に優しく、時間をかけて指導してくださいました。入局1年目で妊娠がわかった際も、被爆を避けながらも整形外科としてのキャリアを維持できるように色々相談し、ご配慮いただきました。
今は私が入局当初より、スタッフも増えていますが、進路の相談は医局長がいつでものってくれています。アットホームで色々相談しやすく、居心地がいい医局だと思います。
整形外科の魅力
今は外傷治療をメインにしているので、外傷についてお話しします。骨折は、診断から治療方針決定、リハビリを経て社会復帰まで、考えていくことが沢山あります。受傷機転と軟部ダメージによって、シーネやギプスをしたり、創外固定という緊急手術をしたり、入院して早期手術を予定したり。その過程を経て患者さんが良くなったときには、非常にやりがいを感じます。整形外科の業務は力仕事をイメージされるかもしれませんが、手術・脱臼整復手技など、コツをつかめば大抵のことは無理なく出来るようになります。また、整形外科の手術時間は外科に比べ短いものが多く、体力・集中力を維持しやすいのは女性にとってメリットの一つだと思います。
ママドクターとして
私は初期研修の最初に結婚しました。大学卒業後の研修病院を決める際に、地元に戻るかどうかを話し合い、結婚して島根に残る選択をしました。予定外でしたが入局1年目に長男を妊娠、2年目の春から産休と育休を取得。当時大学医局に女医は一人だったので、産休・育休のとり方やその後の復帰は非常に柔軟に対応していただきました。整形外科専門医取得前に夫がカナダ(McGill University)に留学することが決まり、自分のキャリアも心配でしたが、異国の地で子育てしてみるというのも興味深い体験ですので、ついて行きました。結果としてカナダのモントリオールに2年半滞在、間でカナダの手術室、外来の見学に行ったり、英語とフランス語で生活してみたり、長女を妊娠・出産してみたり。随分タフになれたと思います。
現在の松江赤十字病院では、主治医制で、常勤勤務しています。ただし、私は夜の待機を免除してもらい、平日定時を大きく超えそうな業務は他の医師にお願いさせてもらっています。夫も開業医で、お互い仕事が長引くこともありますが、夫の実家に同居しているので、家のことも随分家族に頼っています。子供と向き合うのは仕事と違った労力で、まったく自分のペースにならないですし、随分と頭も体も使いますが、育児の面でも島根県の自然に恵まれた環境はとてもいいと思っています。もともとインドア派でしたが、子供たちのパワーは屋内では発散出来ず、アウトドア派になりました。夏の休日は日中待機の日でも、終わったら家から歩いて5分で海なので、毎週末海水浴を満喫できます。夏休みには近隣のキャンプ、グランピング場に5年連続行っています。家には畑があり、祖父母の育てる玉ねぎやサツマイモの収穫、草取りなどを手伝うことで、子供の食育もばっちりです。自然の中でのびのび子育て出来るのは素晴らしい魅力だと思っています。
海外生活、育児、家事、同居などで得た経験・知識は、不思議と臨床にもいろいろなシーンで役立っています。女性の人生設計、ライフワークバランスは、男性に比べ難しいように思いますし、計画してもその通りにならないことが多々あります。しかし、柔軟に個々を受け入れ対応してくださる医局なので、女性も働きやすいことが皆さんに伝わるといいなと思います。
環境はみんな違うものの、医局に年々女性が増えていくのは、<整形×女医×島根>に魅力を感じてくれるからでしょうか♪医局には二人の先輩ママドクターがいらっしゃいます。辻本先生は、ライフワークバランスについて、研修会やメールなどで何度も相談にのってくださいました。少人数だからこそ、上の先生にも話しやすく、アドバイスを受けやすいように思います。また川上先生が立ち上げてくださった「女性医師の集い」など、交流の場が年々増えているのもとても心強いことだと思います。
けがの治療に興味があるという女性の方々、是非一緒にやっていきましょう!男性の方々も大歓迎です!